店名の由来

以前に「なるどカフェ」という名前でカフェを営業していました。店名はこの「なるど」を継承しています。
ナルド(nard)はインド北方が原産の、オミナエシ科の植物です。和名はカンショウ(甘松)。この根から作られる香油は古来から珍重されてきました。店名はこれを平仮名に変えています。 聖書には以下のように書かれています。
「そのとき、マリアが純粋で非常に高価なナルドの香油を一リトラ持って来て、イエスの足に塗り、自分の髪でその足をぬぐった。家は香油の香りでいっぱいになった」(ヨハネによる福音書 / 12章 3節)
賛美歌 391番「ナルドの壺ならねど」は有名です。
2000年前のユダヤでは、なるどは非常に高価な香油で、1リトラ(リトラは約328g)のナルドが普通の人の年収に相当したそうです。当時のユダヤの裕福な家庭では、女の子が生まれると親は子供のためになるどの香油を買い与え、彼女はそれを結婚する時持参し、壺を割ってかぐわしい香りを放つ自分を花婿に捧げたそうです。この壺には蓋がなく、使う場合は壺を割って使うため、二度は使えない構造になっていました。マリア(聖書の頃の女性は名前はマリアが多く、このマリアはイエスの母のマリアとは異なります)はその大切な香油をイエスに注ぐために割ったのです。
これは聖書に出てくる香りの代表的な話ですから、香りが生命のコーヒー店の名前にしました。
(この記事の一部は栄子・スティーブンスンさんの書かれた「Bride」誌の一部を引用させていただきました)